放念/ほうねん

放念する(ほうねんする) 意味・使い方・例文・類義語・対義語・ビジネス wordia

「放念」という言葉はあまり普段の生活でよく聞く言葉ではないので、意味や使い方が分からない方もおられますよね。しかし、仕事でのメールのやり取りや年賀状のあいさつなどではよく使われるので、知っておいて損はありません。こちらの記事では意味や使い方、似た意味の言葉などを解説していきますので是非ご確認ください。

「放念」の読み方と意味

「放念」の読み方

「ほうねん」と読みます。「放つ」は自由にする、「念」は思いや気持ちという意味です。「放念」自体はよく見る言葉というわけではありませんが、1文字ずつ見るとそれぞれよく使われる簡単な漢字ですね。漢字を見ると、大体の意味は想像できる方もいると思います。ここからは「放念」はどのような意味なのか説明していきます。

「放念」の意味

意味は「心にとめないこと」「気にしないこと」です。気にしないでと言いたいとき、「ご放念ください」と言うとさらに丁寧に伝えられます。

使用する際に気をつける点は、自分が忘れたときに「放念しました」と使うのは誤りで、相手に気にしないでと言いたいときに使用するので注意しましょう。では、いくつか例文を挙げながら使い方を解説していきます。

「放念」の使い方と例文

例文1:年賀状に添える場合

毎年年賀状を送っているけれど、メールでも連絡しているし、もう送るのをやめようかな。でもどうやって相手に伝えようか…。と悩まれる方もいるでしょう。最近は色々なアプリもあり、気軽にスマートフォンで連絡を取れる時代なので、年賀状をわざわざ送らない方も実際に多いです。もう年賀状はいりません、と言うのは言いづらいですよね。そんなとき放念を使うと少しやわらかく相手に伝られます。(例文①)また、私は元気だから心配しないでねと言いたいときにも使えます。(例文②)

例文

  • 本年をもちまして年始の挨拶状を控えさせて頂きたく思います 当方につきましてはご放念ください
  • おかげさまで私は元気ですので ご放念ください

また、年賀状は句読点を使わないというマナーがあります。目上の方や上司に送るときは注意しましょう。

例文2:商談の際に使う場合

「放念」は商談に誘うときも使えます。もし予定が空いていれば約束をしたいが、忙しかったら大丈夫です、と言いたいときには以下のように使います。

例文

  • 先日の件で直接お会いしたいので、よろしければお時間を頂けませんか。お忙しければご放念ください。

このように使うと相手の都合を気にしつつ、商談の約束をすることができます。

例文3:メールを誤送信した場合

仕事中に、間違えてメールを別の人に送信してしまった、どうしよう!と焦った経験のある方、いらっしゃると思います。私も複数人にメールを送り間違えて、頭が真っ白になった経験があります。そんなときに「放念」の使い方を覚えておくと、さっきのメールは間違いなので忘れてください、と落ち着いてスマートに訂正できます。社会人としては是非覚えておきたい使い方の1つです。

例文

  • 先程のメールは内容が誤っておりました。申し訳ございませんが、ご放念ください。

例文4:以前に依頼した用件が不要になった場合

頼んでいた作業をしなくてよくなった、というケースは仕事中によく出くわします。作業をしてもらっている中、いらなくなったと言うのは申し訳ない気持ちでいっぱいになりますよね。なるべく角が立たないように、不要になりました…と言いたいものです。

例文

  • 状況が変わったため、本件に関しましてはご放念いただけますか。

色々なケースの例文を挙げました。どれもストレートではなく、少しやわらかい表現になっていますね。

「放念」の言い換え(類義語)

「放念」と同じような意味の言葉は「休心」(安心すること)、「放心」(気にとめないこと)などが挙げられます。「ご放念ください」と似た言葉は、「ご容赦ください」「お見捨て置きください」などがあります。「ご容赦ください」はお許しくださいということで、事前に断りを入れる際や、過失を詫びるときなどに使用されます。「お見捨て置きください」は、気にしないでください、返事はいりませんということです。状況によって上手く使い分けましょう。

「放念」の反対語(対義語)

「放念」の対義語は「懸念」(気にかかって不安に思うこと)です。「ご放念ください」の反対の言葉としては、「ご注意ください」や、「ご留意ください」(心に留めて気をつけてください)などが挙げられます。こちらは日常的によく使われるので見たことがある方も多いと思います。これらも正しく使えるよう覚えておきましょう。

「放念する」と「失念する」の違いと意味は?

「失念」は比較的よく耳にしますね。「申し訳ありません、失念しておりました」と仕事で言った経験がある方もいるでしょう。何かやることを忘れてしまっていたときに使います。「放念」は他人に対して使いますが、「失念」は、自分自身に対して使用するので要注意です。似ていますが使い方が異なるので、しっかりおさえておきましょう。

「放念ください」と言われた場合のメールでの返事の仕方

返事をした方がいいのか、不要なのか少し迷ってしまいますよね。状況にもよりますが、「承知致しました」など一言でも良いので返しておいた方が好印象です。特に大事な取引先などのときはもうプラス一言あっても良いでしょう。しかし、多くの人にを誤送信していたときはたくさんメールがきてしまってはかえって迷惑になってしまうこともあるので、控えた方が良いです。

「放念する」の英語表現

英語でメールのやり取りをされている方には是非覚えておいてもらいたい表現です。disregard(無視する)という単語を使ってPlease disregard this matter.(本件はご放念ください)のように表せます。また、少しカジュアルなケースにおいてはPlease don’t worry about it.(気にしないで)と表現をしても良いでしょう。

「放念する」の意味と使い方のまとめ

今回は「放念」について解説しました。あまり聞き慣れない言葉だと思った方もいると思いますが、仕事中のやり取りなどで使われることが多くあります。また、類義語や対義語を知ることで自身の使う言葉の幅が広がりますし、より状況に合った言葉を選択できるようになるので、ぜひこの機会にマスターしてみてください。