壮年/そうねん

壮年(そうねん) 意味・使い方・例文・類義語・対義語・ビジネス wordia

人には年を重ねるごとに分類される期間があります。今回紹介する「壮年」も分類された期間のひとつです。実は勘違いされやすい意味合いである「壮年」について、今回は他の期間との違いや類義語を含めて紹介していきます。

「壮年」という言葉を聞いたことはあるけど実際に何歳からを指すのか?どのような人を対象とした言葉なのか?と尋ねられると言葉に詰まってしまう人もいるのではないでしょうか。今回はそんな壮年の意味や使い方、壮年と呼ばれている期間と合わせて、他の期間の特徴も紹介していますので、ぜひ最後までお付き合いください。

「壮年」の読み方と意味

「壮年」とは、ある一定の年齢層を表す呼び方の一つです。「壮年」と書いて「そうねん」と読み、「血気盛ん」「体力がある」と言った意味を持つ「壮」を使用していることから、働き盛りである年齢層を指します。

しかし、一般的な基準がなく、価値観や個人差によるため、何歳から何歳までが「壮年」に当たるという明確な決まりは特にありませんが、生産年齢人口(約15歳~65歳くらいの年齢層)の中盤から後半の年齢にかけての時期を壮年期と呼びます。統計学上の数値で表すと30代から40代が「壮年期」にあたります。

「壮年」の使い方と例文

「壮年」の文字に注目すると、壮年の「壮」という漢字が「まさかりを担いだ男性を表す」とされており、そこから「さかんである」「おとこらしい」「勇ましい」等という意味が派生しているため、男性を表す年なのではないか?と勘違いしてしまうかもしれません。

漢字だけを見つめていると、何となく女性よりも男性を表す時期という解釈の方が正しい様な気がしてくるかもしれません。しかし、実際には性別は関係ありません。そのため、これから紹介する例文に関しては、男女ともに使うことができ、どちらにも当てはまるものとなります。

  • 壮年期の頃と比べて、体力が落ちてしまった。
  • 壮年の人が多い職場なので、頼りになる人が多い。
  • 壮年期になったので、そろそろ将来を見据えておく。
  • 自分もいよいよ壮年期にさしかかったみたいだ。

各年齢層の時期と位置づけ

「壮年期」と「幼年期」の違いと意味

「幼年期」とは、生まれてから数年までの期間を表す言葉です。「幼年期」にも特に年齢の規定はありません。「成熟してない」という意味の「幼」を使うことから、就学前の年齢の子どもを示す場合が多いようです。年齢でいえば0歳から5歳か6歳までの間です。

「幼少時代」と言った場合は小学校入学前の時代を指します。保育園や幼稚園に通っていた時代と言えます。幼年期と壮年期を年齢で比較すると、生まれたての乳幼児とサラリーマンの父親くらいの年齢の差であると言えます。

「壮年期」と「少年期」の違いと意味

男の子に対して「少年」という言葉をよく使われていますが、「少年」+「期」で時期を表す意味合いで使われた場合は、男女ともに使用することが出来ます。「少年」とは「若い男の子」を指す言葉として一般的に使われており、「若い女性」を指す場合は「少女」と言います。

しかし、法律の世界では「未成年の男女」を区別せずに「少年」と記載する事もあります。「少年法」がその例として挙げられます。このように、日常生活では「少年」といえば「男の子」を指すという、狭義の意味になりますが、広義では男女関係なく若い人々という意味合いになります。「幼年期」は就学前と紹介しましたが、「少年期」は児童福祉法によると「小学就学時から満18歳まで」と言われています。

「壮年期」と「青年期」の違いと意味

「青年期」以降は人それぞれの見解があり、時期の幅が大きく変わります。個々の学者によっても見解が変わりますが、エリク・H・エリクソンという90年代アメリカで最も影響力があったとされている発達心理学者によると、青年期とは13歳から20歳くらいまでとされています。

中学生から高校くらいまでにかけての不安やいらだちといった精神的に不安定になる時期を思春期といいますが、その時期を内包した時期を青年期と呼びます。人によってかなり幅がありますが、10代から20代前半までの期間が「青年期」という認識で良いのではないかと思います。

「壮年期」と「初老期」の違いと意味

「初老」と聞くと、老いた人を想像する方も多いのではないでしょうか。実際、「老」という漢字が入っていることもあり、特にそう感じるのかもしれません。「初老」という言葉の意味も「中年を過ぎた老年期のことをさす」とされていますので無理もありません。

しかし、元々の意味は40歳を表す言葉のため、文字の印象とは大きく異なります。

なぜ「初老」が40歳を指すのかというと、平均寿命が関係しています。2019年時点の日本人平均寿命は73歳ですが、1900年代の平均寿命は40代前半だったそうです。そのため、医学の発達により平均寿命が長くなった現代では、60代くらいの年代に向けて使われています。

初老の元々の意味が40歳を指すとはいえ、現代では捉えられ方が全然違うので、間違っても40代の人に「初老ですね」等と言ってはいけません。間違ったことは言っていなかったとしても、相手に不快感を与えることとなり、大変失礼にあたりますので注意が必要な言葉でもあります。

「壮年期」と「中年期」の違いと意味

「中年期」とは、「壮年期」の次の時期を指す言葉です。「中年期」は40代以降を表すことが多いようで、40代から60代までを表します。「壮年期」が働き盛りの期間だったこともあり、「中年期」は若かった時代を見つめなおす時期とも言われています。

中年期は精神的にも家庭環境や仕事の面でも変化が多く訪れる時期だとも言えます。青年期から老年期までの間の時期を中年期と呼びますが、ここでも明確にこの年齢であるという指標は無く、個々人の解釈ありきの時期といえるでしょう。

「壮年期」と「熟年期」の違いと意味

「熟年期」が表す年代は45歳から65歳くらいと言われています。「中年期」や「高年期」と重なり、「中高年」のという認識で使われます。成熟した年齢を表す時期であり、高齢なイメージをもたれる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

「熟」という漢字が「成熟する」「完熟する」など、育ち切った状態を意味しているため、人生の中で一番自立していられる時期を指しているのかもしれません。会社勤めのサラリーマンが第二の人生を歩むための準備や計画を立てやすい時期であり、仕事で成果が出て役職に就いたり、家庭が安定したりなど、今まで積み上げてきた成果が出る時期=「機が熟す時期」が熟年期なのかもしれません。

「壮年期」と「高年期」の違いと意味

「熟年期」を紹介した際、「高年期」についても少し触れました。改めて紹介すると、65歳以上を示しています。年金受給の知識があるとイメージが付きやすいかもしれません。「老年」と同じ意味で「高年」と使われることもよくあります。「高年期」とは字の如く年が高い時期を表すため、65歳以上は一律「高年」と呼ばれています。また、高年の人の事を高齢者と言います。

この年代になると体の節々に痛みを感じ、思うように動けなくなる方も増えてきます。

「壮年期」と「老年期」の違いと意味

「老年期」とは、「高年期」よりも更に上の年齢を指します。年齢的には75歳以上が当てはまります。この年代になると、生活に手助けが必要になる方も増えてきます。また、「老年期」とは言わず、65歳から74歳を「前期高齢者」、75歳から「後期高齢者」という言い方もします。

「壮年」の言い換え(類義語)

「壮年」と同じ意味として、「壮齢」という言葉があります。意味は全く同じですが、「壮年」に比べて「壮齢」の方が言葉として硬い印象を持たれます。その他に似た言葉は特になく、他に言い換える必要のない言葉でもあります。

「壮年」の反対語(対義語)

「壮年」とは、時期を表す言葉であり、人生の中でちょうど中間くらいの時期になります。そのため、対局の時期もなく、対義語も存在していません。しかし、意味を間違って解釈している場合があり、「壮年」の対義語として「高年期」や「老年期」が使わることがあります。赤ちゃんの対義語が老人ではないように、幼年期の対義語が老年期でもありません。よって壮年の対義語は存在しないことが分かるかと思います。

「壮年期」の特徴とは

「青年期」と「中年期」の間である「壮年期」は、最大の特徴として「人生で一番エネルギッシュな時期」が挙げられます。「青年期」に培われてきた知識や経験を活かし、公私ともにある程度の自由が許されているため、実力を発揮しやすい時期と言えるからです。また、仕事で言えば会社を引っ張っていくようなポジションになりやすい時期でもあります。それ程、活力がある光り輝く時期であると言えます。

「中年期」になると体の衰えを感じやすく、場合によっては世代交代をする年代になります。そのため、「壮年期」はポジティブな印象が強い時期となっています。

「壮年期」の英語表現

日本語ではあまり言い換えのできない言葉である「壮年期」ですが、英語では様々な言葉で表現することができます。まず、「成熟した」という意味を持つ「maturity」を用いて「stage of maturity」で「壮年期」という表現ができます。

他には「全盛」という意味を持つ「prime」を使って「the prime of life」と表現することができます。

「壮年期」の意味と使い方のまとめ

今回は、「壮年期」についてご紹介しました。壮年期だけではなく、細かく様々な時期も掘り下げて解説してきましたが、それぞれの期間が重なっている場合も多く、一般的な解釈も人それぞれ幅があったりなど、曖昧になっていることがお分かりいただけたかと思います。

また、期間について、種類の多さに驚いた方もいるのではないでしょうか。

時代によって期間の呼び方や位置づけは変わっていきます。「初老」で説明したように、昔は問題なく使われていた言葉でも、昔と状況が変化した現代において昔と同じように使うと相手に不快感を与えてしまうこともあります。

時代の変化に合わせて適切な言葉を使えるようになると物事がスムーズに運ぶのではないでしょうか。今回人生の「時期」について解説しましたが、少しでも参考にしていだだけると幸いです。